『三日月の舞』
TVアニメ[『響け!ユーフォニアム』]の劇中歌。
主人公たちが[全日本吹奏楽コンクール]で演奏する、ガチの[吹奏楽]曲。
比較的キャッチーなテイストなので、中高生の[定演]あたりで重宝しそう。
逆にコンクールの自由曲としては、表現の深みを出しにくそうで(後述)、若干苦しいのではないかと思われる。
具体的にいえば、「三日月」っぽさはほとんど感じられない。
曲の構成
構成は、急緩急の、典型的の3部構成の序曲。
前半の「急」
[金管楽器]によるファンファーレと、[木管楽器]による飾りや連符のオンパレード。これにより派手さと分かりやすさを押し出し、キャッチーさを演出する。
演奏する側は大変。
メロディはほとんど意味がない。
正直、同じようなファンファーレばかりで少し飽きる。
中盤の「緩」
ソロの美しさを聴かせるパート。
和声やアンサンブルもあるが、主役は[Trumpet]と[オーボエ]のソロ。
[Euphonium]はそこまで活躍しない
後半の「急」
吹奏楽曲の定番パターンをたっぷり盛り込んで盛り上げる。
[Philip Sparke]や[Alfred Reed]あたりを意識していると思われる
前半のファンファーレも再現し、曲の終わりまで駆け抜ける。
所感
構成を見てもわかるように、テーマを表現する深みなどは作曲の観点からは感じられない。
劇伴であるので、分かりやすさやキャッチーさを優先させることは当然。この曲においてはそれが正解であると思う。
私はこの曲が大好きなので(ミーハーなので)勘違いしてほしくないが、この曲を貶める意図はない。
上記のように音楽を分析することで見えてくる楽しさがあること、本当の(劇伴でない)[吹奏楽]曲やクラシック音楽は分析すればするほど発見があること、を伝えたい
もし興味があれば、他の吹奏楽曲も聞いてみてほしい
演奏
公式演奏はもちろんよい。全国大会銀賞バージョンがオススメ。
個人的に最もアツいと思うのは、[ニコニコ超音楽祭]2017での[航空自衛隊中央音楽隊]の演奏。
参考
https://dic.pixiv.net/a/三日月の舞
May 15th, 2020