★★★★★

同名アニメーションのオリジナル・サウンドトラック。
作曲家Even Callによる、オーケストラで奏でる極上の劇伴がCD2枚組に収められている。
演奏はどれも最高品質であるが、個人的にはオーボエが最も好みであった。

作品の世界観である、産業革命期の西欧の世界観に浸る時間を楽しめる。
主人公ヴァイオレット・エヴァーガーデンの仕事道具であるタイプライターの動作音が、サウンドトラックにも効果的に使われている。
ルロイ・アンダーソンのようにネタでリズムを刻むのとは全く異なり、タイピングによって文章を紡ぐことで丁寧に時を刻むような印象をもたせる。
まぁ、実際の作中では、主人公はタイピングの速さに定評があるので、そこはあえて遅めのテンポで刻む意味をリスナーに考えさせるため、と好意的に捉えたい。

ヴォーカル曲は、「Violet Snow」が好み。

サウンドトラックだけでなくアニメーションそのものも、非常に美しい。合わせておすすめする。